第49章 あいつらの付き添いで、本当に長谷川栞は喜ぶのか?

「な、中野社長……」

近藤綾香は、心臓が凍りつくかと思った。

不意に中野航平が眉をひそめる。眉間に圧のある苛立ちが滲み、同じことをもう一度訊いてくる。

「さっきの……つわりか?」

もともと気が短い男だ。とくに、反応が鈍くて簡単な話を何度も言わせる相手が嫌いだった。

近藤綾香は泣きそうになり、壁に添えていた手から力が抜けて、危うくもたれかける。

「中野社長、わ、私……たしかに妊娠しています。でも仕事に支障は出しません。会社の規定の範囲内で、必ず……必ず、品質も量も落とさずに――」

ようやく中野グループで踏ん張って、三年かけて居場所を作ったのだ。

ここでクビになったら――。

中...

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